歯磨きのやり方を変えるだけで知覚過敏が改善するケースも

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知覚過敏が起こる原因は、大きく分けて2つあります。

1つは、歯自体に問題がある場合で、虫歯、WSD(くさび状欠損)、マイクロクラック(亀裂)が主な原因です。WSDは歯茎に近いところの歯が欠けていく状態です。歯ぎしりなど、噛み合わせによって過剰な力がかかることで欠けていくケースが多く、歯磨きをどんなに頑張ってもこの知覚過敏は治りません。

2つ目は、歯以外に原因がある場合で、主に歯茎が下がってしまうことから知覚過敏が起こります。毛が硬い歯ブラシを使って歯と歯茎自体を磨くクセがある方は、どんどん歯茎を失っていくのです。

長年、知覚過敏に悩んでいた40代の女性患者さんがいらっしゃいます。その方は、他の歯科医院で知覚過敏を相談したところ「歯の神経を抜きましょう」と言われてショックを受け、医院を変えようと決意。根本的に治療することができないのかどうか、いろいろな医院で相談したそうです。(超音波スケーラー用チップ

しかし、どこの医院でも知覚過敏用の薬を塗布するだけで改善が見られなかったため、とても気分が塞いでしまったというのです。

診察してみると、硬い歯ブラシを使って力を入れて磨いていたことによる知覚過敏でした。そこで、やわらかい歯ブラシに替えた上で、歯茎と歯の間を横向きにガリガリ動かす磨き方をやめてもらいました。すると数週間で痛みは改善し、その後、すっかりなくなったそうです。

以前もお話ししましたが、健康な歯茎の人が歯間ブラシやフロスを無理に使うと、歯と歯の隙間を埋めるのに必要な組織である歯間乳頭を失います。そうなると歯の付け根がむき出しになり、知覚過敏を起こしてしまうのです。(歯科 プライヤー

オーラルケアグッズには、適切な使い方と使い始めるべきタイミングがあることをご理解いただきたいと思います。